
知っておきたいパリでのフランス料理レストランマナー。
ポイントさえ押さえておけば、後は大丈夫… 楽しい一時をお過ごしください。
これでキマる!レストランでのマナー三か条
初心者でも、フランス人になりきるべし。
フランス語が話せなくても、初めてフランス旅行でも、フランス人になりきりましょう。レストランで席に着いたらこっそりと周りのフランス人を観察してみてください。自由の国フランスらしく、それぞれが自分流のスタイルでリラックスして食事を楽しんでいます。フランス料理のかしこまったおかたいイメージを持っている人は、まずそれを取り除いてみてください。
レストランでは、時間を楽しむべし。
レストランでのメインは「時」です。フランス人はレストランでの食事に2、3時間の「時」を費やします。一緒にレストランに来た相手と楽しいおしゃべりをしながら過ごす「時」、ワインを一口づつ吟味しながら過ごす「時」、料理の味に舌鼓しながら過ごす「時」…。料理もそのお客様の「時」のタイミングに合わせて運ばれます。レストランでは急ぐことは禁物です。ゆったりと「時」を楽しんでください。
堂々とかっこよくキメるべし。
初めてのフランス料理でも、フォークとナイフが苦手でも、優雅に堂々と食事をしましょう。イライラしたり、自ら動き回ってはいけません。ゆったりと席に腰掛け、優雅な気持ちで食事を楽しんでください。
係員が飲み物を注ぎに来たら手を出さずにそれに従ってください。食事をするあなた自身がゲストなのですから、心に余裕を。またフランスは、レディーファーストが徹底されている国です。カップルなら、男性が女性に飲み物をグラスに注いであげてください。レストランの通路で道を譲るのも女性からです。譲られた女性は素直にそれに従い、「メルシー(=ありがとう)!」の一言と笑顔を付け加えれば、かっこよくキマります。
パリのレストラン実践編
レストランへの服装
服装は基本的に、どんなものでも結構です。ただし、レストランの雰囲気にあった服装をが好ましいと言えるでしょう。また、そのレストランの場がデートなのか友達同士の食事なのかによっても変わってきます。一緒に食事をする相手の雰囲気、その場の雰囲気にあった服装を心掛けるのがパリジャン風です。下記の服装はあくまでも参考です。基本は雰囲気に合った洋服選びです。
■星付きレストランなら…
いつもよりも、ちょっとおしゃれをして出掛けましょう。例えば、女性なら普段のお気に入りワンピースにフェミニンなアクセサリーやスカーフ小物をプラスアルファーするだけでも雰囲気がグッとアップします。男性なら普段着に流行のジャケットを合わせるとか…。星付きレストランなら、やはりジャケットを着用した方がベターでしょう。ネクタイ+ジャケットコーディネートは義務ではありません。
星なしのレストランなら…
小ぎれいな雰囲気さえ心掛けていれば、いつもの普段着で充分です。ジーンズは避けた方がベターですが、最近ではカジュアル・コーディネートでもその場に合う雰囲気のレストランが増えてきました。ジーンズなら、ちょっとヒールのあるパンプスや革靴と組み合わせて清潔感を出しましょう。
■カジュアル・レストランやカフェ系レストランなら…
どんな服装でも大丈夫です。ジーンズ+スニーカー+Tシャツの定番カジュアルスタイルもOKです。ただし、一緒に食事をする相手の好みや雰囲気を考えて洋服を選ぶことを忘れずに…。
★★グルメアラカルトのレストランでは★★
各レストランの紹介ページにドレスコードが記載されています。このコードをご参考にしてください。
レストラン入店
まずは、挨拶が肝心です。普通レストランの入口付近にはレストランのスタッフがいます。お店に入ったらそのスタッフに、ランチ時なら「ボンジュール(=こんにちは)」、ディナー時なら「ボンソワール(=こんばんは)」と言いましょう。黙って勝手にレストランの奥に進んで席を探すのは禁物です。スタッフが見当たらない時はその場で待つか、近くにいるスタッフに声を掛けてください。「ご予約は?」「何名様ですか?」などと聞かれたら、それに答えてください。コートや手荷物など預けますか?と聞かれたら、預かって欲しい物をそのスタッフに渡してください。自分で持っておきたい場合は「ノン メルシー(=結構です)」と断ってください。ただし、貴重品は預けないで、自分の手元でしっかりと管理をしましょう
★★グルメアラカルトのレストランでは★★
レストランに入ったらお店のスタッフに、購入時にEメールにてお送りするご予約確認書をお渡しください。スタッフがそのまま予約席にご案内します。
席に着いたら
案内された席に着いたら、まずはアペリティフ(食前酒)をすすめられ、ドリンクリストを渡されます。アペリティフの種類はアルコール度が低い軽めのカクテルが主流で、フランスではアペリティフは食欲を増進させたり、食事の場で会話を弾ませるきっかけに飲むものと言われています。
★★グルメアラカルトのレストランでは★★
予めアペリティフがメニューにあるレストランなら、席に着いたらまず、そのアペリティフが運ばれてきます。レストランでの楽しいひと時の開幕です。アペリティフで軽く乾杯を…。
メニュー選び
ゆっくりとアペリティフを飲みながら料理の注文も吟味できれば、完ペキです。フランス料理のフルコースは、前菜、メインディッシュ、デザート。メインデッシュは通常、魚料理と肉料理に分けて明記してあります。前菜もスープ類などの暖かい料理、サラダ類などの冷たい料理に分かれていることがあります。前菜、メインディッシュを先に頼んで、メインディッシュを食べた後にデザートを頼むこともできます。ワインは別でワインリストがあり、レストランによっては、専属のソムリエがおすすめワインを教えてくれたり、ワイン選びのお手伝いをしてくれます。
★★グルメアラカルトのレストランでは★★
フレンチレストランの元シェフが厳選した日仏対訳メニューの中からお選びください。各前菜、メインディッシュ、デザート、それぞれ3~4種類の中から自由に選んで自分だけのオリジナルフルコースが楽しめます。また、星の数ほどあるワインの種類の中から、フレンチレストランの元シェフがメニューに合うワインを上手にチョイスしました。赤か白どちらかのワインをお選びください。
※一部レストランには、メニューにワインが含まれておりません。詳しくは各レストラン紹介の「飲み物」欄をご参照ください。
料理の順番
フランス料理といえば、一品ずつ食べる食事方法が特徴です。フルコースなら前菜→メインディッシュ→デザートの順番。フランス人の中にはメインディッシュとデザートの間にチーズを食べる人やデザートの代わりにチーズを注文する人もいます。パンは前菜、メインディッシュと一緒に食べます。
食事中
何よりもリラックスして食事し、ワインを飲んで、おしゃべりをはずませながら「時」を楽しんでください。パンをテーブルの上に置いたり、パンくずを散らかしたり、食事を残しても失礼にあたりません。フォークやナイフは料理のつど変えられ、料理にあった物が運ばれてきます。食事中にフォークやナイフを置く時は、お皿の両サイドに端を掛けるように置いてください。食事が終わった時はお皿の上にフォークとナイフを横に並べて置いてください。
係を呼ぶ
フランチレストランでは、食事をするお客様はゲストであり、そのゲストが自ら動くことを良しとしません。フランチレストランでは、セルフサービス的な行為はタブーです。必要なものがあったら、遠慮なく係員を席まで呼びつけてください。通常はテーブルそれぞれに担当係員が決まっています。注文を聞きに来た人、料理を運んで来た人、料理の皿をさげに来た人が、同一人物ならその人が担当者。係を呼ぶ場合はその人を呼び止めるのがベストでしょう。その係員がいなければ他のスタッフでも大丈夫です。呼び止める時は、右手を頭の横あたりまで上げサインを送るか、近くを通った係員に「エキュスキューゼ・モワ(=すいません)」と言います。
食後のひと時
コーヒーでゆっくりと食後の時を過ごすのがフランス流です。食事が終わったら直に帰るフランス人はほとんどいません。コーヒーを飲みながら尽きることのない話で会話を楽しんでいます。この間にお勘定を済ませておくのも賢い方法です。会計はテーブル席で済ますのが一般的。サービス担当のスタッフに「ラディション・スィル・ヴ・プレ(=会計をお願いします)」と頼むと勘定書を持ってきます。料金はその勘定書と一緒にテーブルの上に置いておきましょう。担当のスタッフが来てテーブル席で対応してくれます。カードの場合も同様で、カード支払いに必要なサインもテーブルで行います。支払い可能なクレジットカード会社の種類はその場で聞いてください。
★★グルメアラカルトのレストランでは★★
食後のコーヒーもグルメアラカルト・メニューの中に含まれています。お店によってはミニャディーズ(=プチ・フール)と言われるフランスのお茶菓子が付いてきます。食後のひと時をコーヒーとミニャディーズでゆっくりとお楽しみください。また、グルメアラカルト・メニューの代金はご予約時に予めお支払いいただいていますので、その場での会計は不要です。ただし、メニュー以外の料理やお飲み物を注文された場合は、食事の後に上記の要領でレストランに支払いをしてください。
※一部レストランには、メニューにコーヒーが含まれておりません。詳しくは各レストラン紹介の「飲み物」欄をご参照ください。
チップ
チップはレストランに限らずヨーロッパの習慣です。決して義務ではありませんが、楽しいレストランでのひと時を演出してくれた担当の係員やレストランのスタッフ、厨房のシェフや料理人達に「ありがとう」の気持ちを込めてチップを置いていくのがフランス流です。チップを置く場合は、テーブルでの会計が済んだ後、席を立つ前に料金の3%程度のチップをテーブルに置いてください。チップを置いたまま店を出て結構です。
★★グルメアラカルトのレストランでは★★
グルメアラカルトにはチップ代金が含まれていません。チップを置く場合は、お店を出る前にチップをテーブルの上に置いてください。チップを置いたまま店を出て結構です。
レストランを出る
レストランを出る時は、預かってもらったコートや荷物を受取ってからお店のスタッフに「オルヴォワール(=さようなら)」と一言いってからお店を出ましょう。フランスでは最後まで挨拶が大事です。またタクシーを呼んでもらいたい時は、予め席を立つ前にお店のスタッフに頼んでおきましょう。